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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

「凄い、何だか急にお腹が空いてきたみたい」
 最後の夜なのだから、気まずくだけはなりたくないと思い、美奈恵はわざと明るい声音ではしゃいだ。
「乾杯」
 カチリと軽くワイングラスを合わせ、美奈恵はワインをひと口含む。かなり強めのワインなのか、ひと口呑んだだけで咽が灼けるような熱さを憶えた。しかし、それも一瞬で、後は後を引かないワインの爽やかな甘さとほろ酔いしたときの独特の心地よさを感じる。

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