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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

 タクシーが停まった。美奈恵はドライバーに料金を払い、タクシーから降りた。続いて剛史が降りてくる。
 美奈恵はできるだけ冷静に見えることを祈りながら、彼と対峙した。
「お疲れさま。本当に色々とお世話になったわ。祖母の弁護士から電話があったの。婚姻届けの確認も取れたし、財産の方も今日付けで私の口座に振り込まれたそうよ。あなたのお陰で、すべては上手くいった。約束どおり、報酬はあなたの口座に本日中に振り込むから。後はこれから離婚届を出せば、それですべて終わり。あなたが面倒なら、ここからは私ひとりでやるから」

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