テキストサイズ

レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

「嘘付け。なら、何故、俺が抱こうとした時、最初は抵抗したんだ? 手段のために俺と寝たのなら、お前はむしろ思う壺だったんじゃないのか?」
「―」
 美奈恵は嫌々するように頭を振った。
「祖母を裏切れないの」
「お前のお祖母さん?」
 剛史の訝しげな声音に、美奈恵は諦めの境地で頷いた。ああ、万事休す。叶うことなら、剛史にはこれ以上、余計な負担をかけたくはなかったのに。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ