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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

 美奈恵は自分が築いていた壁が脆くも崩れ去るのを感じていた。
「私は剛史が好きよ。愛している。でも、祖母を裏切れないわ」
 剛史は昔から勉強は嫌いだけれど、頭の回転は速かった。すべてを察したようである。
「つまり、俺では水無瀬家のお祖母さまに婿として納得して貰えないと?」
 美奈恵は途方もない脱力感を感じながら、頷いた。
 剛史が笑った。美奈恵は愕いて彼を見上げる。

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