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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~

第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~

「もっと素直になれよ。お前は何でも一人で背負い込みすぎる。そして、傷つくんだ」
「私は別に傷ついてなんていないもの」
 美奈恵は心から溢れそうな何かを必死で堪えて意地を張り通す。
 剛史がまた一歩美奈恵に近づいた。
「来ないで。それ以上近づいたら、人を呼ぶわよ」
「呼びたければ呼べば良い」
 剛史は言うと、美奈恵のすぐ側まで歩いてきた。駅前の舗道に立つ二人の側をたくさんの通行人が急ぎ足で通り去ってゆく。

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