テキストサイズ

俺はここだよ

第25章 お・ま・け

「翔ちゃんが、羨ましいです」


食事の手を止めコーヒーを一口飲み、俺は少し遠くを見た。


「ニノ、どうした?・・・ニノ」


リーダーの声に気が付かなかった

・・・フリをしてみた。


「えっ、あぁすみません。
何か急に寂しくなっちゃって・・・」

「何か俺、悪い事言っちゃったか?」

「違います、大丈夫です。
こちらこそすみません。気にさせちゃって」

「なぁニノ、お前さぁ・・・
まだおいらの事・・・その・・・」

「大好きですよ。
俺、リーダーの事、今でも大好きですよ」

「ニノ・・・」

「昨日渡したプレゼントも、実は俺がリーダーの前で着ようと思っていたんです」

「えっ?!」

「正直諦めたくないです。
翔ちゃんから、奪いたいくらいです。
でも、病院での二人の姿を見たら、もう諦めるしかないなって」

「ありがとう。でも、ゴメン・・・」

「リーダー、謝らないで下さい。
余計に辛くなります」


それから俺達は、黙って食事を済ませた。


「リーダー、そろそろ行きましょうか」

「そうだな、行こうか」


二人、ホテルを後にした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ