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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

強引に抱き寄せる腕

…前にもどこかで…


「ミカ、家は?俺はみどり町」
「私は文上で…」
「文上って酉丘と四津川の間の?」
「う…うん」
「じゃバス通か」
「うん」

「そっかー
 じゃ時間が合う時、帰りは迎えに来るよ
 俺こないだ免許とったから」

酉丘高校の三年生は進路さえ決まれば
車の免許を取ることができた。

優司くんは大学、推薦で決まったんだって。

「スポーツ推薦…凄い…!!」
「大したことねーよ。
 好きで続けてきたことだし。」

今まで特に縁もなく、興味も無かったが
優司くんはサッカー部のエースだった。
サッカー部にお弁当の差し入れをする日は
みんな気合い入ってたっけ…。

そう言えば…
先輩、優司くんの好きな
食べ物を調べてたなぁ…

…私なんて酷いことしちゃったんだろ

そんなに優司くんを思っていた先輩を
傷つけるような事をするなんてっ!

「どうした?
 具合悪い?」

自分を責めて、うつむく私を
優司くんが心配してくれた。

「…そうじゃなくて」


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