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「再会」と呼べる「出会い」

第5章 特別な日のいつもの部活動

「よし、やっちまお。
 終わったら草刈りしながら
 歓迎会の相談。」


草刈りしながら、
手入れをしながら。

園芸部の話し合いは
いつも“ながら”だ。



「歓迎会かー
 部の紹介だろ?
 インパクトが大事だよなぁ」

二木、…ま、そうだな。

「今年は二年生からもでしょ?
 ヨッチ、ニッキー、
 勧誘よろしくね」

三井が微笑む。
あぁ、なんかに見えると思ったら
三井はタンポポに似てる…。

「そうですね
 何人か声かけてみます。
 山一先輩、上手くいったら
 何かご褒美くれます?」

…四谷、押すなぁ

「部の存続がかかってんのよ
 頑張るのは当然でしょ?
 色仕掛けでもなんでも
 して勧誘しなさいよ。
 アンタ結構モテるんだからっ!」

…うわぁぁ

ま、確かに四谷はモテる。

俺が同じクラスになった百瀬エミ。
昨年のミスコンで一位になった彼女に
コイツは告られ、振った。

「よし、俺も頑張ろう!」

「二木の色仕掛けじゃ
 誰もなびかねーよ」

「部長酷ぉっ」

ハハ。二木をからかうのは楽しい。

「ニッキー、愛しの神鳥さんは?
 誘ってみたら?」

…神鳥…

「そうそうお近づきになるチャンスよ」

三井と山一が二木を後押しする。

「だよなー。
 クラス違うけど、
 思い切って行ってみるか!」

「頑張れよ」

…頑張れ…


恋愛対象

などというものでは全くないが
俺も彼女、
神鳥由芽とお近づきになりたい。

それから…

今日
新しく赴任してきた
家庭科の隠土晴一先生にも…。

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