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「再会」と呼べる「出会い」

第5章 特別な日のいつもの部活動


「…っかりました。
 けどごめん、今日はパス
 先約あるから。」

「いいよ、明日以降で。」

部紹介がある歓迎会は来週だ。

「ごめんね」

「先約って…ミカ?」

朝会った時も様子がおかしかったからな。

「そう…。」



「よろしく頼むな
 俺じゃ話し辛いみたいだから。」

「任せて!」

山一が力強く応えてくれた。
頼りになるよ、ほんと。


幼なじみで同級生の佐伯ミカ
学校の勉強とか、進路とか
家族のことや
お互いの片思いとか…

今までは大概なんでも話してきた。

なんでも…

…俺は違うが…


そんなミカに
最近、人生初の彼氏が出来た。

彼氏、優司先輩は俺らの一個上で
先月卒業したばかり。
容姿端麗に加え、
サッカー部のエースで
明るい性格だから人望もあり
何よりモテた。

卒業式の日
ミカはその優司先輩に告白された。
昇降口、大勢の目の前で
抱きしめられ、キスまでされていた。

それまで
ミカと優司先輩の間に
接点があったとは聞いてないが…。

元々流されやすい性格のミカは
優司先輩の強引さに
戸惑ってはいたみたいだが、
最終的に付き合うことに決めたらしい。

けどなんか
心配なんだよな…。

あんまし会ってねーみたいだし。
付き合いたてなら
頻繁に会いたいもんなんじゃねーの?

浮かれたりさ…

そういうの、ないんだよな。

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