「再会」と呼べる「出会い」
第7章 転校生?
整った綺麗な顔。
女装とか絶対似合うと思う。
少し長めの黒髪もツヤツヤだ。
わ ピアス 軟骨にも…
ガッツリ開けた胸元に重ね付けの
ネックレス
…?ヴィジュアル系?
…この人が
そうだね
目が似てる
隠土先生と同じ、優しい目。
「ミズカ…?」
「?」
あれ…ガン見されてる。
しかも凄く驚いた表情で…
「…まさか、
そんなわけないか…」
「名前!なんて言うの?!」
エミががっついた。
「俺の?…君は?
聞きたいなら自分の名前教えてよ」
「私百瀬エミ!」
「エミちゃんっていうんだ
俺は次朗
…隠土 次朗」
次朗?
じろう…君?
リョウ君の家に来ていた
“じろうさん”を思い出す。
リョウ君は仕事関係って言ってたし
…偶然だよね
同一人物じゃないよね
「君は?」
え
「私?」
「ほらっ!!
見世物じゃねーんだからな!
チャイムなる前に教室行け!」
林田先生が野次馬の生徒達を
せき立てる。
「じゃ行くか、隠土弟」
「はーい …」
え …えっと
答えろと言わんばかりに見てる
「佐伯 …ミカ」
「ミカ?
…名前まで似てるとか…
…またね」
次朗君はそう言うと、
林田先生と連れ立って行ってしまった。
始業前を告げる、チャイムが鳴る。
…教室戻らなきゃ。
「やーバーいーっ!!
名前聞かれたって事は
興味持ってくれたって事よねっ!!」
「え うん
そうじゃないかな」
エミが浮かれまくっている。
次朗君、
エミの次のターゲット確定だね。
… … …
ま、いいか。
最近多く湧き出る感覚に、
いささかウンザリしてきたところだ。
…どこかで会った気がするとか…
ないないない。
だってあんな人
一度あったら忘れるはずない。