テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第7章 転校生?

空いた席…
つまり、私の真向かい…



見てる…  

見られてるよ…っ!!


「な 何か用ですか?」

なんか敬語になっちゃった。

「これ」

次朗君はそう言うと
ハガキサイズの紙をヒラヒラさせた。

『入部届』


「料理部の部長なんでしょ?
 これ、提出に来たんです 
 はい、ミカ先輩」









はいっ?!!





「…だったら隠土先生に渡せば??
 お兄さんなんでしょ??」

なんでこんな所まで??

「せっかく会いに来たのに 

 ひどいねぇ…」



なっ   はい?!


「じろうくーんっ!!」

エミが入口の野次馬を蹴散らし
飛び込んできた。

「お昼これから?
 もしかして誘いにきてくれたの?!」

「…君は確か百瀬エ…」

「エミでいいわよーっ!
 ね、こんな所じゃなくて
 向こう行かない?
 今まで住んでた国の事とか
 聞かせてよ」

エミのワントーン明るくした声が
やたら耳に刺さる。
次朗君にはどんな風に聞こえて…



「めんどくさ」






そう、次朗君が小さく呟いた
…気がした!!

けど、エミも他の二人も
気付いていないっぽい。




「いーよ
 聞かせてあげる。

 その代わり

 お昼、少し分けてね?」



…………!!!!!!




「いーわよ!行きましょ」

「じゃ よろしくね ミカ先輩」

二人は部屋を出て行った。











静けさが怖い




今見たものも



「なんかゾクゾクした…」

ヤマチャンがヘナヘナと座り込んだ。

「不思議な人だねぇ…」

ミッチもポカーンとしている。

「ミカティ大変だね?
 あんなのが入部したんじゃ…

 ?

 ミカティ、どうした?
 青ざめて…具合悪い?」

「二人共 …見なかった?」

「何を?」




『お昼、少し分けてね』

そう言った時、
次朗君の瞳が紫色に光った気がした。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ