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「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

「あ   ぁあ」


俺が顧問を務める料理部の部長

彼女に会ったのか


… … …



「知ってるなら
 どうして言ってくれなかったの?」

「言えなかった」



記憶を戻した時に、確かに思った。
佐伯ミカは次朗が、
カラスが大切にしていた“ミズカ”と
瓜二つだったこと。


…しかし俺には言えなかった。
言ったらお前が
混乱してしまうと思ったんだ。


お前の彼女に会った時の気持ちを
察する事は容易だったが、
俺が彼女の傷を癒やしたあの部位は…


お前はその原因を
必ず“消し”にかかる。


「なんで?」

「お前が言う隙を与えなかったんだ。
 俺の頭の中をイカで
 いっぱいにしただろ?」

「な…   そうか」



誤魔化したが、納得してくれたらしい。


「俺が顧問をする事になった
 料理部の部長だよ」

「料理部?  …ふーん」


次朗は少し考えた。


「部活動…何か一つは参加しなきゃ
 いけないんだよね。
 兄さんの側にいた方が、
 何かと都合がいいかな…」


その都合、別の理由で
合わせたようにも思えるが?

「好きにしろよ、ただ、
 神鳥と一緒じゃなくていいのか?」

「誘っちゃえばいいんだよ、料理部に。
 彼女もどこに入るか決めて
 ないみたいだし。」

それも…そうだな。
今のところ、授業以外で
顔を合わせる機会はない。

親しくなるためにも、
その方がいいかもな。

「よろしくな」

それに、
佐伯ミカの“闇”は
俺なんかより寧ろお前の方が
晴らしてやれるかもしれない。




*…*…*…*…*…*…*

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