テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

調理準備室を出た俺は、
二年生の教室を目指した。

あの人を探して、
目的の教室の入り口を覗く。

…いない

「転校生の隠土次朗、いないか?」

「あ 生徒会長!
 次朗君ならいませんよ。」

手前に座っていた神鳥由芽が答えた。

…俺の脳裏にはこの顔も刻まれている。
顔以外の外見は大分違うが。

「神鳥、どこにいったか分かるか?」

俺が名前を知っている事に
彼女は一瞬、驚いた表情を浮かべた。

「あー…確か、
 三年生の料理部の
 部長の所に行くって」

え  ミカの所に?

なんでまた?

「そっか、ありがとな」

俺は簡単に礼を告げ、
階段を二段飛ばしで駆け上がった。

何故、あの人がミカの所に行く??

考えられる理由は…



“精気搾取のターゲットに選んだ”


…よりによってミカかよっ!

確かアイツら、
昼は空き教室にいるんだよな…


…ガラッ!!


「オッス!! 
 なぁ、こっちに次朗君来なかった?」

良かった、ミカは無事だ…。

山一と、三井も。

「リョウ君!
 うん、来たよ
 エミと行っちゃったけど」

「まっじかよ!あちゃ~」


…百瀬か
ぁあ、そっか。
なんか朝から浮かれてたもんな。
名前を聞かれた位で…。

「香田君、なんか問題あるの?」

「…ぁあ いや
 飯誘いに来ただけ
 悪かったな、邪魔して」

ミカ、無事で良かった。
けど会いに来たのは本当か…。

一体何しに?

ともかく、探さねーと…。

百瀬も一応心配だ。


俺は図書室に向かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ