テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々


香田から、佐伯には
彼氏がいると聞いたが…

俺には佐伯が本当に心から
相手の事をを思ってて付き合っている
とは思いがたい。

最初に会った時の表情や涙
それに下半身の酷い裂傷。
そこから推測出来るのは
彼女が無理矢理犯されたということ…。
佐伯のことを本気で思っている男が
そんな事、普通出来るか?


それに

佐伯ミカがミズカの生まれ変わり
なのかどうか…だが

俺はそうだと思う。
俺が最初に会った時から佐伯に抱く感情は
妹同様に想っていた、
ミズカに対するものと全く同じだ。

だから佐伯を大切に出来ない男を
絶対に認める事は出来ない。




部活が始まる時間になったので、
俺は準備室のドアから
隣の調理室に移動した。

佐伯がひとり、
作業台でメモを睨んでいた。

「佐伯 大丈夫か?」

「はい…突然すみませんでした。」

「いや、こっちこそ
 なんか無理強いして悪かったな。」

しかし…
アイツどこいった?

「次朗、一緒じゃないんだ」

「廊下にいると思いますよ
 なんかもう、友達出来たみたいで」

え 佐伯を追って行ったんじゃないのか?
何やってるんだアイツは…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ