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「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

本日2度目の対峙

「何もないっていう表情じゃないな、
 佐伯に何かあったのか?」

「…ミカには
 まだ確認出来てないんスけど。
 付き合ってる奴が
 危ない奴だったみたいで…」

「…」

「アイツ、
 それを知らないみたいだから
 急いで伝えなきゃいけないんスけど」

「危ないって 具体的には?」

「付き合って飽きた女を
 友人や後輩にまわすんだそうです。
 かなり酷いこともやってるらしくて」

俺は聞いたままを、
定かでないにも関わらず
隠土先生に伝えた。

この人には言ってもいい。

もしかしたらミカを助ける、
何か力になってくれるかもしれない。

「… なんだそれ 本当なのか?」

隠土先生の眉間に皺が寄る。

「単なる噂ってだけでは
 ないようです。」

「そうか」


俺の話を聞き、明らかに怒っている。
本人は気付いていないようだが
掌から水のような物が
滲み出て来ている。

俺も抑えてるだけで
今すぐにでも感情を爆発させたら
砂嵐が起こせそうだ。



「香田 うちの弟を見てないよな?」

「次朗…くんですか?
 さっきまで一緒に…   ぁ」


彼はこの話を聞いた。
聞いて、  消えた。

「この話、次朗は聞いたのか?」

「はい。
 聞いてすぐ、いなくなりました」

「… 聞いたんなら …だな」


この話しを聞いて動かないわけがない
と言わんばかりに
隠土先生は頷いた。

「アイツ…携帯持ってないんだよな
 …ったく」




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