テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

「娘さん、困ってないか?」

「…ぁあ、最近少し寝不足気味で」


何故娘がいることを?!

…マスターに聞いたのかな?

「寝不足は…ようないのぅ。

 次朗が世話になるとか。
 益々疲れさせることに
 ならんとええが…」

次朗くん?

「次朗くんの御家族の方ですか?」

「その内の一人に
 数えてもらえりゃ嬉しいわい」

なんとなく振り返った口元が
ニヤリと笑った気がした。
あ よく見ると髭がある。
目は、髪に隠れて
やっぱりよく見えない。


「ご馳走さん。」

男性が立ち上がった。

「またどうぞ」
 
そしてそのまま、
顔を見せてくれることなく
店の奥へと消えた。
奥にも出入り口があるのかな?

「…なんだか
 不思議な方ですね」


「彼は…そうですね。」

マスターが意味あり気に目を伏せる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ