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「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

「お嬢さん、寝不足なんですか?」

「…はい。
 どうも夢見が悪いらしくて…」

ここ数日、怖い夢を見るのだそうだ。
内容までは話して貰っていないが、
夜中にそれで目覚めると
その後寝付けなくなるらしい。

「何か、心配事でもあるのかな」

「本人は何も、困っている事は
 ないって言うんですけどね…
 こう、何日も続くとなると
 親としては心配で。」

「本人にも分からない悩みというのは
 時に存在しますからね。
 …早く解決するといいですね。」

「はい」

本人にも分からない悩み…か。

由芽は基本的には明るい娘だ。
友達の事も、学校の事も
私や妻によく話してくれる。

様子を見る限り、
現実に悩んでいることは
無さそうだが…。

…もしかして


「好きな男でも、出来たか…」

「かもしれませんね。
 高校二年生じゃ、お年頃ですし。」



ったぁ…。

ま、いつかは来ると思っていたが。

父親としては 寂しい。


だとしたらアレか
本人も気付かない内にって事か。
好きという認識がまだなくて…

小説の内容としては全然アリだが、
実際娘にそんな事が
起きているかと思うと頭が痛い。



そっかー…

「どんな奴だろ…」

「気になるところですよね」






数日後
友達としてその子を紹介してくれる
事になるのだが



まさか
娘があの、次朗くんと
付き合う事になるとは

それこそ夢にも思わない。




■□■ 第8章 おわり ■□■



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