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「再会」と呼べる「出会い」

第9章 温もりバス

「なんとなーくだけど
 少し紫がかってるような」

と言うか、お昼の時
紫色に光った。

「…ぁあ、そうだね。
 そういう事にしとこうか」



「違うの?」

「…もっと仲良くなったら
 教えてあげるよ」



ドッ…!!



その目つきっ!ヤバい!!


優司君のギラギラした目や
子犬のような甘えた目にも
何度かやられちゃってるけど 

これは




逃げた方がいいかもしれない。



「…ごめん 私そろそろ行かなきゃ
 バスにまた
 置いて行かれるといけないし」

「…それは心配ないよ
 …ぁ
 ごめん、ちょっと待ってて」

次朗くんはそう言って立ち上がった。
電話でも来たのかな
ポケットに手を入れている。

「そこ、絶対動いちゃ駄目ね」

「え だってバス…」

「キヨ!
 この子見張ってて」

「え どうしたの?」

「通信入った。 奥借りるね」

「どうぞ。
 何?見張ってなきゃいけないの?」

「1人にすると危ないんだよ」

次朗くんはそう言って
奥へと消えた。

1人にすると危ないって何?

…そんなに私
悩んでる風だった?

「あの…私、バス時間があるので
 そろそろ帰りたいんですけど」

「ごめんね
 帰すわけには行かないんだよ。」

マスターが苦笑する。

そんな…


「帰りは心配いらないよ。
 次朗さんがちゃんと送ってくれる。
 君は次朗さんにとって
 大切な人みたいだから。」

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