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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

免許を取ったばかりって聞くと
隣に乗せてもらうのは
少し怖い感じがするけど

て言うか…
実際お兄ちゃん(20歳・大学生)が
運転するとき、そうだったし…。

だけど
優司くんの運転は違った。
走り出す時も、止まる時も
全然怖くない。

なんだか、すごく慣れてる感じ。

「優司くんは運転上手だね」

「そう?」

優司くんの横顔をチラリと見る。

…真剣な表情…

あまり話しかけちゃいけないかな…

「ここから、右折だっけ?」

「う…うん そう」

家の前に着くと七時近かった。
日は長くなったけど、
薄暗くて、
お互いの顔はハッキリしない。

「ありがとう、送ってくれて」

「こちらこそ
 旨いもん食わせてもらってサンキュ!
 また頼むな
 …ミカ 」

「なに?」

「オッケーしてくれてありがとな」

「え …うん」

優しい表情
また心臓が鳴りだす…。

「じやーな、電話するよ
 これから春休みだし
 大学行く準備とかあるけど
 いっぱい 会おうな」

「うん」

バタン…

助手席のドアを閉めたら
今日はもうお別れ

優司くんは手を振って笑顔をくれると、
そのまま走り去って行った。

私は手を振りながら
見えなくなる車を目で追った。

人生初告白されて、
彼氏が出来て
作ったごはんを
美味しそうに食べてもらって

………


それに、
沢山 笑顔を貰って…


………


【俺のことを好きにさせる
 自信ならある】



私、優司くんがすきに…


好きになったかも



「今のって優司先輩?
 結局付き合う事にしたんだ?
 …もしかしてまた
 流された?」

「うわっ!!りよーくんっ!!
 みっ…見てたのっ?!」

ビックリしたっ!!

声のした方を振り返ると
リョウ君が立っていた。

断るって方向で話してたから
気まずい…  けど

「流されたんじゃないよ
 自分で、付き合う事に決めたの
 一週間だけ、お試しだけど…」

私はハッキリ、
自分で決めた意志を伝えた。

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