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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

「…そっか
 ま、いいんじゃね?」

…な、なんだ…
随分あっさりしてるな…
反対しないんだ

『さっきはあれ程
 断る気満々だったのに
 簡単に意志を変えるなんて
 …どうせ、また流されたんだろ?』

とか、言われちゃうかと思った。
けどリョウ君は

「よく考えたら
 お前初彼氏じゃん!
 これから春休みだし、
 浮かれ過ぎて
 ハメ外し過ぎんなよ」

「うん」

「ま、何かあったら
 いつでも相談にのっから。

 ほい、これ婆ちゃんから」

と、リョウ君はビニール袋を渡した。

「人参と春キャベツだ。
 キャベツは柔らかくて、甘いぞ」

「ありがとっ!うっわ…美味しそう」


「じゃーな また」

そう言うとリョウ君は帰って行った。
リョウ君ちはうちから二軒隣。
昔からご近所さん同士、
家族ぐるみで仲がいい。

リョウ君ちは大工さんだけど、
お婆ちゃんが畑を作ってて
たまに産直にも出している。

こんな風なやり取りも日常化してて
うちはお父さんが
趣味の釣りで釣ってきた魚や
お母さんや私が作った料理などで
お返ししている。

「ロールキャベツもいいなぁ…」

料理の計画を立てるのは楽しい。

それに、料理に集中していれば、
どんなに嫌なことがあっても
気が紛れる。

ある意味、
ストレス解消法にもなっていた。

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