テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第9章 温もりバス

「電話かけてもいいですか?」

「どうぞ」

取り敢えず、ヤマチャンに。
きっとミッチも一緒にいるはず…


「…もしもし?

 ううん、今…次朗君と一緒
 ちょっと色々あって…。
 何かあったの?
 …え      …
 
 
 それって…本当なの?」




耳に入ってきたのは、
優司君に関する悪い噂だった。



「…」




優司君は付き合ってる彼女に飽きると
後輩や友達に彼女をまわしてしまう。

…まわすって何?
 捨てられるだけじゃないの?

優司君は女の子に平気で酷い事をする。





酷い、事?


自然に、喉元に手が延びた。





『ミカティ、大丈夫?』


ヤマチャンの心配そうな声が聞こえる。


「だっ 大丈夫だよ!
 …ほんと。
 うん、今日は会う予定ないから。
 ……」

優司君が…


『ミカティの気持ちも
 あるとは思うけど…
 会わない方がいいんじゃないかな?
 …っていうか
 うちらは正直、会って欲しくない。』



「うん
 …心配かけちゃってごめんね。
 …うん、 …ごめんね
 また、明日」



私は電話を切った。


その噂の信憑性は高いそうで




優司君に対する恐怖心がジワジワ蘇る。

私なんて  



きっとすぐに飽きられるタイプだ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ