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「再会」と呼べる「出会い」

第9章 温もりバス

「え 次朗君、次でしょ?」

「送るって、家までって事だよ」

「え いいよっ!」



私の意見は無視され、
結局二人でバスを降りた。

「へぇ
 ほんとにリョウちゃん家の
 すぐ側なんだね」

「…」


家、次朗君に知られちゃうのか…。

ぁあ…
妹にこんな所見られたら
絶対大騒ぎされるよ。



「ミカ!おかえり」



ドッキーーーーンッ!!


「だ  ただいま」


家の前にお兄ちゃんが立っていた。
大学から帰ったらしい。

「誰?
 確か、彼氏は卒業生って…」

「この人は友達っ…!
 今は治ったけど、
 少し気分が悪くなっちゃったから
 家まで送ってきてくれたの。」

「そうなんだ。ありがとう。」

「いえ。
 もしかしてミカ先輩のお兄さん?
 そっくりだね。」

「うん よく言われる…。」

お兄ちゃんに会っちゃった…。
けど妹よりは、いっか。

…それにしても お兄ちゃん
 次朗君の事、凄い見てる…


「ミカ、気分が悪くなったって
 本当にもう大丈夫なのか?
 少し顔赤いな。
 お前、腹出して寝てるからな、
 風邪でもひいたんじゃないのか?」

「ちょ… おなかなんて
 出してないよぅ!!」

「俺や母さん、
 何度か布団掛け直してやってるぞ。」

「ハハ。 お兄さん優しいね。
 なんかすごく安心。」




次朗君がふわりと微笑む。

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