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「再会」と呼べる「出会い」

第9章 温もりバス

「ミカ先輩、寝相悪いんだ」

「何度かベッドから落ちたよな?」

「もぅっ…!
 次朗君の前で
 あたしの醜態言わないで!!」

恥ずかしいよ…。

「次朗君って言うんだ
 もしかして、上にお兄さんいたりする?
 家どこ?」

「いますよ。
 家は隣の四津川です。」

「やっぱり? お兄さんいくつ?
 中学被ってるかな」

お兄ちゃん、やけに次朗君に食いつくな。


「あー…そうだね。
 今23歳ですよ。お兄さんは?」 

「俺は 今年で21。ギリかな。
 名前なんていうの?」



「隠土晴一です。」

「! …知ってるよ!
 部活の先輩で、高校も一緒だった!
 やっぱりな。
 次朗君を見た時
 どこかで会ったような気がしたんだよ。
 けど兄弟いるなんて初耳。 

 お兄さんと似てるって
 言われるだろ?」 

「…はい まぁ」

お兄ちゃん、隠土先生と
知り合いだったんだ。

…そっか
私もどこかで会ったような気がしたけど
そういうことだったんだ。
多分、お兄ちゃんの高校の
学校祭かなんなで隠土先生を見たのかも。
似てるから、勘違いしちゃったんだ。

きっと そうだ


「じゃあそろそろ俺、行くね。
 ミカ先輩、
 今日は家でおとなしくしててね。
 外出禁止」


…優司君に会うなって言いたいのね


「はぁい… ここまで送ってくれて
 どうもありがとう。
 けどこれからどうするの?
 バス待つの?」

「歩いて帰るよ」

「え 結構距離あるよね」

「そう?
 …また、明日ね」

「急いでないなら、
 家に寄ってけば?
 次のバスまで時間潰していけよ。」


?!


「お兄ちゃん!
 次朗君にだって都合が…」

「今日はやらなきゃならない事が
 あるんで、また今度でも」

「そっかー…残念だな」

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