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部屋に入り、窓の外を眺めると、
夕日が沈み、青黒く夜を告げる景色。



次朗君…




会ったばかりなのに
こんなに気持ちを動かされるなんて…

優しい笑顔が脳裏にこびりつく。
払拭しようとしても
彼の事が頭から消えない。

もっと話したい
もっと知りたい

この感情は何？



カーテンを閉めようと手をかけた時
着信音が響いた。

…


優司くん

画面にそう、現れる。


どうしよ

どうしよ…。


取り敢えず、出る。

「何してた？」

優司君の声は優しいけど、
なんだか耳に刺さる。

「今、帰って来たところ…」

「そっか、おかえり」

「うん…
　お母さん…どう？」

「どうって…あぁ　うん。
　大丈夫みたいだ。」

大丈夫…ってことは

「検査結果出たの？」

「え　ぁあ、うん。」

良かった
お母さん、大丈夫だったんだ。


「お母さん悪い病気じゃなくて
　良かったね。
　優司君、凄く心配してたもんね。」

「…まぁ、一安心ってとこだな。
　それよりさ、俺、
　明日から遠征なんだけど」

…そう言えば
優司君は明日から三日間、
サッカー部の遠征に行くらしい。

会わずに済む事に安堵感

けど良かったね。
お母さんの事がうまく落ち着いたから
練習に打ち込めるし、
試合にも集中出来るね。