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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

「何でも出来るのに
 そこだけは苦手とか
 可愛いーじゃん!」

妹が目を輝かせて言う。

…会ったら絶対
好きになっちゃうな…
この子面食いだから。

私も人の事は言えないけど…


「そう言えば!
 さっきリョウ君のところに
 【じろうさん】って
 お客様が来てたみたいだけど…」

「新しい職人さんかしらねぇ
 施工を頼んだ業者さんとか…」

「凄く、親しそうだったから…」

「親戚なんじゃないか?
 親しいとは言え
 そう何でもかんでも
 聞いているわけじゃないからな」

お父さんも知らなそう…
リョウ君パパとは
よく飲みに行ってるから
何か知ってると思ったのに

「お婆ちゃんは?」

リョウ君ちとは
一番付き合いが長い。

「じろうさん、ねぇ…
 さぁ 分からないなぁ」

「…そっか」

「何々?!
 おねーちゃん、
 彼氏が出来たばかりなのに
 その人の事も気になるのっ?!
 イケメンだったのっ?!!」

「えっ
 顔は分かんなかったよ
 暗かったし」

「リョウ君に直接聞いてみたら?
 そんなに気になるなら」

「そうだよね」


普段なら、
ご近所さんに来たお客様の事なんて
全く気にも止めないのに

私は何故だか
【じろうさん】の存在が
ものすごく気になった。

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