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「再会」と呼べる「出会い」

第11章 お仕置きとケツ叩き

正直に言えば、
次朗さんを止めた俺自身もやばかった。

木瀬にミカが襲われかけたって聞いて、
こいつのこと、
半殺しにしかねない感情になってた。





「あの子、大丈夫だった?」

次朗さんがミカの様子を聞く。
やっぱり心配なんだな…。


「ミカなら、
 別に何も無かったような顔
 してましたよ。
 つーか寧ろ
 神鳥と連絡先交換したこと、
 喜んでました。」




木瀬に襲われかけた所を助けて貰った

といういきさつは話さなかったが、
神鳥と連絡先を交換した事は
話してくれた。

図書室での一件は
クラスの別の奴が教えてくれたのだ。

放課後、ミカが部活に行くため
教室を出るや否や



「香田って佐伯と仲良いよな」

「幼なじみだからな。
 ミカがどうした?」

「昼休み、
 五組の木瀬に迫られてたらしいぜ。」

「は?木瀬ってサッカー部だろ?
 優司先輩とミカが付き合ってる事
 知らないわけねーよな」

「知ってるからじゃねぇの?
 サッカー部の噂知らねぇ?
 全員ってわけじゃねぇらしいけど
 付き合ってる女を
 シェアするらしいぜ」

「俺もそれ、聞いたわ。
 なんか相当、
 ヤバい事もしてるんだろ?」

「…シェア?なんだよそれ…」

「佐伯、狙われてんじゃね?
 可愛いじゃん。
 今まで優司先輩が睨み利かせてたから
 手ぇ出す奴いなかったけど」

「俺も実はずっといいなって思ってた。
 けどあの井崎建設の御曹司が
 彼氏じゃあな… はぁ」

「…」

「んでさぁ、迫られて困ってた佐伯を
 あの神鳥が助けたらしいぜ。」

「マジでか?神鳥すげぇ!
 木瀬って表は普通っぽいけど
 ヤバそうな奴らと仲良いもんな。
 逆恨みとか、大丈夫か?」

「ヤバいかもな。
 それこそシェアされんじゃね?」

「それエロ…っ!
 想像するとやべーわ!!」

「香田?どうしたよ、急に立って」

「お前も想像した?」

「木瀬が ヤバい」

「は?ま、ヤバい奴かもしんねぇけど」

「え 香田っ?! 
 …なんだよ、行っちゃったよ
 ノート借りたかったのになぁ」



俺は教室を飛び出し、木瀬を捜した。

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