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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

優司先輩は強引な人だった。
人一倍押しに弱い私は
そんな彼にどんどん動かされる。

いつの間にか優司先輩は
私の携帯を持ち、手際良く
赤外線通信で連絡先を交換してくれた。

…欲しいと思った事、
全く無いと言ったら嘘になるけど

だけど あまりに唐突で
みんなの視線が痛くて
大好きな先輩を不本意に傷つけて

今は寧ろいらない
早く解放して欲しい…。

「優司先輩、あの…」
一生懸命に絞り出した言葉は
包容で簡単にかき消されてしまう。

誤解です。
付き合うなんて言ってないし
だって私先輩のこと、良く知らないし

たからごめんなさい。

ごめんなさい。


その 一言が言えてたら…
今の私の後悔はきっと無かった。


抱き合えば温かくなる筈なのに
私の心は冷たくなっていく。

「ミカ、絶対大事にするよ
 俺、大学地元だから。
 いつでも会えるからさ」

いっそ 遠距離なら良かった。

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