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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

…本当は恥ずかしいよ

お願いだから
みんな 見ないでぇ…

こないだ逃げちゃったことが
後ろめたくて 
嫌とは言えない。


みんなの前での告白だったから
有名人になっちゃってるらしい。
元々優司くんは目立つ存在だったし。

…みんなの頭から消えたい

「ミカおはよ」

「リョウ君おはよう!」

リョウくんが爽やかに隣を
駆けていった。

「香田…だっけ?
 生徒会長の… 仲いいの?」

「家が近くて 幼馴染なの」

「ふーん」

気のせいかな
握られた手に圧力を感じた。

「幼馴染かー。
 じゃ 俺の知らないミカのことも
 知ってるんだ…」

「えっ… 」

まぁ、そうなる。
幼稚園から一緒だし…

あれ 優司くん 機嫌悪い?

「したの?」

「はぁっ?!」

思わず大きな声が出てしまった。
…ナイナイナいっ!!
ありえない!!

「ありえないよっ!
 お互い、好み違うもん!!」

「まぁ
 俺とアイツじゃ正反対だしな
 一度断られたからさ
 もしかしてって…
 そっか …じゃあ」

優司くんの目がすわる

…なに…??



「俺が“初めて”なんだ」



……




「…うん」


「やった」

ニカ と優司くんが満面の笑みを浮かべる。



あれ





嘘をついたとかじゃないのに
私 すごく胸が痛い…。






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