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「再会」と呼べる「出会い」

第14章 最強の彼女

「いってらっしゃぁい!」

「っあークソ
 次朗が羨ましいーっ!!」

「由芽おめでとーっ」



…なんかいっぱい聞こえてきた

だから違うってば!



「おー 隠土弟に神鳥
 朝から仲いいな
 どこいく?
 ホームルーム始まるぞ」


教室の入口で
担任の林田先生に声をかけられる。

助かった!


「かんちゃん
 具合悪そうなんで
 保健室に連れて行きます」

は?!

「え あーそうか
 大丈夫か?
 うわ顔色悪いなぁ」

酸欠です… 

「…っ はぁ はぁ…?」


口を塞いでいた手は離してくれたけど
何故か声が出てこない。
次朗君から離れたくても
ガッチリと肩を抱かれて動けない。


私はそのまま
抵抗する力も出ないまま、
次朗君に連れていかれた。


「ごめんね かんちゃん」



なんで 声出ないの??
次朗君私に何かした?


言葉の代わりに睨みつけた。


「そんな顔しないで
 何もしないから」

次朗君はそう言って
眉を八の字に歪め、微笑んだ。

笑うとやっぱり隠土先生に似てる。



…隠土先生

レシピ貰ってから話してないや
結局、先生と同じには作れなかった。
もう一回ちゃんと教えてもらいたいよ。


だけど


何故だろう
近づきたいのに
近づいちゃいけない気がするのは








次朗君が私を連れて来たのは
保健室ではなく階段下の倉庫だった。

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