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「再会」と呼べる「出会い」

第15章 そして繋がる

「君は…」


キーンコーンカー…


「あ 予鈴なっちゃった
 続きはまた後で
 
 料理部長さん
 行かなきゃいけないんでしょ?
 
 …?」


私は次朗君の手を掴んだ。

待てないよ。



「今 教えて」


「大胆 手握られちゃった」



「… わ」


掴んでいた手は握り直され、
身体ごと持って行かれる。

土袋の上に座る次朗君に
そのまま覆いかぶさるように
私は倒れた。

相変わらず
次朗君の胸に耳を当てても
心臓の音は聞こえてこない。



「なんで 聞こえないの?」

「?」

「次朗君から
 心臓の音がしないのは何故?」

「…死んでるようなものだから」

「幽霊なの?
 ちゃんと触れるよ?」

私は両手で次朗君の頬に触れた。

ひんやりしている。
血が通っていないみたいに。


「生きた亡霊ってやつだよ
 ゾンビみたいなもんかな

 本当なら
 とっくに死んでるはずなのに

 生かされてる」

「本当はいくつなの?」



"21歳"って思っていたけど
本当はもっと
遥かに上なのかもしれないと思えてきた。






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