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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

こんな風に運ばれるのは
子供の時以来だ。
コタツで寝ちゃった時
お父さんが布団まで運んでくれたっけ。

…って!!
今は状況が全く違うからっ!!


「…きゃ!!」



ドサリ




ここは… 優司くんの部屋?

なんだろ
お香? 頭がクラクラしてきた…。

見える範囲の壁には何もない。
ベッド横に小さなラックがあって
丸い間接照明が置いてある。

黒いカーテンは引かれたまま。
…朝から開けてないのかな



「ミカ…こっち見て」

… うわ 顔がっ 近いよう

熱い視線ってこういうのを言うのかな?
なんだか火傷しそう…

「ゆうじ…くん あの… 」

「初めてなんだよな
 優しくすっから…」

いや…そうじゃなく…

「っあっ!!」


ゾク…


首の横 頸動脈の当たりを吸われ
背筋に悪寒が走る。

「敏感?」

「そんなことは…っんふっ!」

しゃべる隙を与えないつもり?
何か言おうとすると、
すぐに口を塞がれる。

「んーっ!」



私は暴れた。


「ミカ 怖い?」



「…初めてだし、ま 当然だよな」


……

目の奥がキラッと光った気がした


……そうだよ 怖いよ


「ミカ 俺はお前のことすげー好き。
 だからもっとお前のこと
 知りてぇし、もっと触りてぇし
 …な 分かるだろ?」



ごめん  分かんない …


「ミカ」

分かんないけど
「やめて」とも言えない。

言葉が出なかったの。

…あの時みたいに

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