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「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

「実は今日からなんです
 俺の一方的な一目ぼれで
 本当に素敵なお嬢さんですね
 よろしくお願いします」



絶対
我慢してるよコイツ。

そうまでして
付き合ってることにしたいんだ。








「では 俺はこれで失礼します
 じゃかんちゃん
 また明日」





次朗君は父に一礼すると
来た道を戻っていった。


「…っはぁ」


喉のつかえがとれる。


「本当なのか?由芽」



お父さんが繭をしかめている。


「…ほんとう ってことで」


「そうかぁ…
 なんか …なんだかな」


批判はしないが
賛成していないのはよく分かる。



私も
敢えて否定しなかった。





次朗君の気持ちが分かった気がしたのだ。



私と付き合っていることにしたいのは
隠土先生のためだって。



*…*…*…*…*…*…*

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