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「再会」と呼べる「出会い」

第17章 溶ける体温

「会いに来た」


キャーっ!


そう言って微笑む次朗君に
リカの方が先に反応する。

「…」


私はストレート過ぎる返しに
うまく反応出来ない。


会いたかったよ。
会いたいよ そりゃ。


「ご飯食べて行きなさい
 まだなんだろ?」

「でも そしたら
 足りなくなっちゃうでしょ」

「大丈夫よ
 うちはいつも多めに作るの」

「そうそう
 お兄ちゃん
 連絡無しにいきなり
 帰ってくる事があるから」



私がまごついている間に
家族が話を進める。


次朗君はいつの間にか
兄が普段座っている席
私の隣に落ち着いていた。




「美味っしい!」

「おかわりあるから
 どんどんどうぞ」


次朗君はごく自然に
我が家の食卓に溶け込んでいた。

「転校前はどこにいたんですかぁ?」

「外国の方に
 両親の仕事の都合で」

「外国ってどこですか??
 もしかして英語超得意 とか?
 カテキョしてもらえませんか??」

リカの質問攻めが凄すぎる。
それに私とは違う積極性には脱帽…。


「次朗君だって忙しいんだから
 カテキョなら
 お兄ちゃんがいるでしょ?」

「えー
 お兄ちゃんじゃやる気出なーい」

…おい。

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