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「再会」と呼べる「出会い」

第18章 冷 え

「井崎建設の
 お偉いさんまで
 目をつけるとは
 ますます行ってみたい」

久保先生が
内履きに履き替えながら
呟いた。

「そうですね
 私も気になります
 校長先生に
 案内して頂かなくては」

「その時は
 是非私も!」




香田の言っていた事が
その場凌ぎだという事は
佐伯の表情を見て
よく分かった。


何かあったのだ。

おそらく井崎優司の事で。



準備室に戻った俺は
香田の携帯に電話をかけた。



「隠土先生
 そっち戻ったら話します」

「あぁ
 切羽詰まってる
 わけじゃないんだな?」

「はい 」







…ひとまずは安心か。
一体何だったんだろう。



「はぁ…」



佐伯
こんな時にあいつが
側にいないんじゃ
心細いかもな。







神鳥
今日も部活来なかったな。

やっぱり園芸部に行くのか。



今日はもう
帰ったのかな。







  コン コン







「はい  …」






廊下側の戸を開けると
神鳥が立っていた。



やばい


どうしよ嬉しい…。



「図書室でみんなが帰るの
 待ってたら寝ちゃった」

そう言って
照れ笑いする表情が可愛い。





「入っていい?」

「あ …あぁ」



すんげードキドキする。


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