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「再会」と呼べる「出会い」

第3章 再会日和

「お袋がさ お前のお母さんに
 聞いたんだって
 最近、全然彼氏の話をしない
 彼氏とも出掛けてない…

 付き合いたてだし、
 春休みだし。
 …ま あの人忙しそうだけど。
 もっと頻繁に会ってても
 おかしくねーだろ?」

「…会い辛いんだよね なんか」

「……」

リョウくが溜め息をついた。
…もしかして

呆れてる?

だよね
呆れるよね…

「…ハハ
 あんなに心配してくれたのに
 なんか、ごめん」

「そんなん 気にすんなよ

 なんかあったら
 いつでも助けてやっから
 幼なじみだろ?」



「ありがとう」

涙がにじむ。


どうして私は
こんなに優しいリョウくんに
恋に落ちないのだろう……。

これ
落ちるシチュエーションだよね?

……

あーっ!! もうっ…!!

「頑張るっ!!」


「…頑張れ」


宣言して直後、
タイミングバッチリに
始業式が始まるチャイムが鳴った。

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