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「再会」と呼べる「出会い」

第18章 冷 え

「全部見つけたんだ」

「ううん
 これは一部だって
 残りは敵に渡っちゃった
 らしいから」

「敵…?」


 …ゾ ク リ






「次朗
 その辺は佐伯に
 話してないのか」

「なんですか?
 敵って」

「…うーん」


隠土先生が考え込んだ。

私に話していいかどうか
迷ってる…?


「話してください
 私なら大丈夫です」

「私は言っていいと思うよ
 断片的に知らされる方が
 ずっと不安だよ
 ねえ」


私は頷いた。
神鳥さんの言うとおりだ。


知りたい。


何が起きているの?

次朗君は
どこに行ってしまったの?

どうして
連絡が取れないの?





「分かった
 けど
 もうすぐ授業だから
 昼休みにでも
 また来てくれ」



え 気になる!


けど時計の針は
始業5分前を指していた。



「分かりました」

「次朗なら心配ない
 ちゃんと戻ってくるよ
 午後には
 学校に来ると思う」

「良かったね
 ミカ先輩」

神鳥さんが
そう言って微笑んでくれた。




良かった…。




私は次朗君に
早く会いたかった。

聞きたいことも
伝えたいことも
沢山ある。




*…*…*…*…*…*…*


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