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好きで、好きで、好きで。

第3章 さざ波

「...じゃないと、私の立場がなくなっちゃうよサリ。」

「....」

「優くんがアノ人と付き合うまで、二番目でもいいって私が言ったんだもん。それでも良いって思えるぐらい好きなんだもん。もし同じこと言われたとしたら....きっと同じ気持ちで言ってくれたんだって思うから。」

「操。」

見た目は小学生なのに、言うことはたまに大人びてしっかりしている。
こういうところが、いつも紗理奈をドキッとさせる。

険しい顔をする紗理奈を操が不安げに覗き込んだ。

「何かあった~~?サリ。」

「えっ…あ、ううん、なんでもないよ。そろそろ帰るわ。引き止めてごめん!」

明るく言う紗理奈を不思議そうに見上げながら、操は少しして笑った。

「また何かあったら相談乗るからねえ~~?操、紗理奈のためなら何でもしちゃう!」

胸を張って腕をぶんぶん振る操に思わず噴出しながら紗理奈は温かい気持ちで彼女の頭を撫でた。

へへへっとにやける操から離れ、手を振り二人は交差点分かれた。



「ただいま。」

誰もいない家にはいり一人でつぶやくと、その静けさがより一層紗理奈を寂しくさせる。
紗理奈はすぐに自分の部屋に上がり、カーテンを開けた。

じっと窓の外を見てからゆっくりと放り出した鞄を見て、ため息をついた。

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