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BL~中編・長編集2~

第4章 ~Ricordo~

病室には、俺はもちろん、健一の両親も来ている。

付き合って三年の俺が言うのもなんだが、健一の両親と会ったのは、健一が事故に遭い、見舞いに来た時に初めて会った。

高価なブランド物の服。 上品な言葉遣い。

明らかに、庶民じゃない。

「あれ・・・実、咲・・・・?」

「健・・・」

「健一!!」

名前を呼ぼうとしたら、俺より早く健一の名前を叫んだ人物がいた。

「よかった!!」

会ったことのない女性。

彼女は、健一の姿を見るなり、健一に抱きついた。

「もう、目が覚めないかと思っ・・・」

「おいおい。 勝手に殺すなよ。」

彼女に抱きつかれて嬉しそうな健一。

恋人の俺の前で、酷くないか?

「え・・・っと・・・それで・・・・」

彼女と体を離した健一は、ようやく俺の方を向いた。

「どちら様ですか?」

「ぇ・・・・」

健一・・・・・・?


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