BL~中編・長編集2~
第4章 ~Ricordo~
「一種の記憶喪失ですね。 事故に遭った時に頭を強く打ち付けたことにより、記憶が失われてしまったのでしょう。
ご本人の話を聞く限りだと・・・ここ四年間の記憶がないようですね。」
「記憶・・喪失・・・」
ここ四年間の記憶が全部消えているなら・・・・俺と出会ったことも、全部忘れてるってこと?
「先生・・・息子の記憶喪失は、治るんですか?」
「さぁ・・どうでしょう。 記憶が戻る場合もあれば、一生戻らない場合もあります。」
一生戻らない? じゃあ、俺との思い出も・・・俺を好きだって言ってくれたことも、全部忘れたまま・・・
「・・・健一・・・・」
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「あなたはね、この方・・・安藤さんの命を救おうとして、事故に遭ったのよ。」
「そう・・・なんですか。」
「・・・・」
数日後。
健一の具合が少し落ち着いたので、健一が事故に遭った経緯を母親が説明した。
『安藤さん。 あなたにお願いがあります。』
医者から健一が記憶喪失だと聞かされた後・・・俺は、健一の両親に呼び出された。
『あの子と別れて下さい。』
『なっ・・・』
そんなこと、できるわけな・・・