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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「ぁ…うん。」

高羽さんの友達二人の「来るよね?」という雰囲気に押され、頷いてしまった僕。
思わず頷いてしまったことに激しく後悔しながら、三人の後について教室を出る。
三人共、次の授業を受けるつもりがないのか、教室とは反対の方向に歩き始めた。 渋々、同じ方向に歩みを進める。

連れて来られたのは、校舎の一番端にある、人がほとんど通らない階段。
授業も始まってるし、ほぼ確実に誰も通らないだろう。

「あのさ…まりあの気持ち…知ってるよね?」

あ、まりあっていうのは、高羽さんのことね。

「協力してって頼まれたんでしょ?」

「ぅ、うん……」

ひ、ひぇぇぇ…こ、こわ、怖いよ~…

「なら、どうしてちゃんと協力してあげないの?」

「い、いや…あの…」

友達の後ろでうつむいていた高羽さんは、我慢できなくなったのか、泣き出してしまった。
それを見て、優しく慰めるお友達。

まるで、僕が泣かせてるみたいな感じになって…
昨日一緒にいた方の友達に、キッと睨まれた。

「まりあが、沖田君と一緒にクラス委員やろうと頑張ってたの隣で見てたでしょ? なのに、なんで何も言ってあげなかったの?
九重君が言ってくれれば、沖田君だってまりあと一緒にクラス委員やってくれてたかもしれないでしょ!?」

「……え…っと…ごめ…」

「謝るくらいなら、最初からちゃんと協力してあげなよ。 まりあがかわいそうだと思わないの?」

か、かわいそうだと思わなくはないけど…
僕、言ったよね? そんなに協力できるかはわからないって。
最後までちゃんと聞かなかったのは、そっちであって…全力で協力するなんて、僕は一言も言ってない。
だから、絶対に高羽さんの味方につくというわけではないし、もし一颯君が嫌だと思うなら、僕は協力してあげられない。

「………」

って言えたら、どんなにいいか。
気弱な僕は、女子に言われっぱなし。 反論することもできない。

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