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BL~中編・長編集2~

第13章 ~天然男子の純愛~

「!! 一颯君?」

ぎゅっと抱きしめられた。 もちろん、手の主は一颯君。

あれ? なんか、機嫌悪いような…

「どうしたの?」

「…………」

なにも言わない一颯君。 それを見て、先輩達はまた面白そうに笑った。

な、なんなんだろう?

「沖田は、俺達と詩音が仲良いから、嫉妬してるんだよ。」

「嫉妬…?」

なんで? だって、一颯君はこの二人が付き合ってるって知ってるし、僕の気持ちも知ってるよね?

「どうして?」

「…どうしてって…お前なぁ…」

「だって、僕は一颯君しか見てないのに…?」

え!? もしかして、僕の気持ち伝わってなかったとか!? 付き合ってるって思ってたの、僕だけ!?

「……詩音、お前さ…それ、計算でやってる?」

「へっ?」

計算?? 数学? え? なんのこと?

「ははっ!! 沖田も、苦労が絶えないな!!」

「え? え?」

「はぁ…」

先輩達はお腹を抱えて笑いだし、一颯君は大きなため息をついた。

「詩音、ほんと天然…」

「天然?」

京ちゃんにも同じこと言われたことあるなぁ…そんなつもりないのに。

「ま、そんなとこも好きだよ。」

「――~っ!!」

い、いきなり言うのはなしだよぉ!! 先輩達もいるのにっ…そんな、恥ずかしいこと…

「目の前でイチャイチャすんな。」

「俺らもする?」

「するか、アホ。」

まあ、でも…なんだかんだ言って…

「照れなくても…」

「照れてない。 一回脳のCT撮ってこい。」

「へへっ。」

すごく幸せなのです。


~END~

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