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BL~中編・長編集2~

第15章 ~ほんとに好きなのは…?~

どうも。 初めまして。 いきなりで大変申し訳ないのですが…

「お前、邪魔なんだよ。」

………ピンチです。




俺、金城 大智(きんじょう たいち)。 地元の沖縄を離れ、寮から桜蘭学院に通う高校一年生。
この学校の寮は、一人部屋か相部屋か選べるんだけど……俺は元々友達を作るのが苦手だから、同じ部屋の人なら仲良くなれるかな…って思って、相部屋にした。 お金持ちのみんなは相部屋なんか嫌らしくて、なかなか相手は見つからなかったんだけど……つい二ヶ月前、とうとう相手が見つかったんだ。
だけど……その相手が、なかなかに大変な人だった。

「大智ーー!!」

それがこいつ。 津山 莉央(つやま りお)。 二ヶ月前に桜蘭学院に転校してきた高級家具店の御曹司。
で、問題なのが…

「莉央、こんな所にいたのか。」

あぁ……見つかってしまった。

「早く俺のものになれよ。」

「しつこい!! 絶対にあんたのものになんかならないからな!!」

莉央に迫っているこの人は、この学校の生徒会長の花京院 透(かきょういん とおる)先輩。

「「あーー!! 会長、抜け駆けずるいですよ!!」」

「お前らが遅いのが悪いんだろ。」

……で、今来たのは生徒会の人達。 書記に会計に副会長などなど…この学校でファンクラブができている人達が、みんなこぞって莉央を狙ってる。
それはそうだ。 莉央は、平凡な俺と一緒にいるのが不思議なくらい端正な顔立ちをしているし、なんと言っても、漫画に出てくる学園アイドルと同じような道を歩んでいるんだから。

まず、異例の時期に転校してきたこと。 端正な顔立ちの莉央はすぐファンクラブができ、その後先生やクラスメイトの勧めで生徒会に入った。 そして、誰も見分けがつかない同い年の双子の役員を見分け、無口で寡黙な副会長には時折見せる愛嬌の良さから気に入られ、イケメンだけど草食系で周りの人が言うにはちょっと残念な書記には仕事の速さと正確さを褒めたことで慕われるように。
で、一番問題だったのが……

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