BL~中編・長編集2~
第16章 ~大切なのは…~
もうすぐ、あいつと付き合い始めて一年━━━……
三ヶ月の記念日も、半年の記念日も一緒に祝ってこなかったけど…
「さすがに、一年の記念日はなぁ…」
出来ることなら、一緒に祝いたい。 だけど、あいつは記念日とか興味なさそうだしなぁ…
「めんどくさい。」の一言で片づけられそうだ。
「男のくせに、記念日祝いたいなんて……重いって思われるかな…」
久しぶりにデートもしたいし、一応プレゼントも用意したけど…
「どうやって誘おうかな…」
目の前にある二枚のチケットを眺めながら、俺は深いため息をついた。
「おはよー、柏木。」
「山本、おはよ。」
いつものように朝早くの静かな教室で本を読んでいると、親友の山本がこれまたいつものように俺に挨拶をして目の前の自分の席に腰を掛けた。
そして、くるりと体を反転させて俺の読書の邪魔をしてきた。
「邪魔すんなって。」
「まあまあ。 いつものことじゃん?」
毎朝お決まりのことだから、もう慣れたけどさ。 邪魔されるのわかってるから、そんな集中して読んでなかったし。
「で、柏木君はどうしてそんなに深刻な顔をしてるんですかね?」
「…………」
ふざけてるように見えて、実はちゃんと見ているのがこの男。 特に何も言わなくても、俺の気持ちや考えていることを汲み取ってくれるから、こいつといるのはすごく楽だ。
「もしかして、まだデートに誘えてないのか? 記念日は明日なんだろ?」
「……うん…」
俺が頷いたのを見た山本はため息をついた後、「まあ、わからなくはないけどな。」と呟いた。
三ヶ月の記念日も、半年の記念日も一緒に祝ってこなかったけど…
「さすがに、一年の記念日はなぁ…」
出来ることなら、一緒に祝いたい。 だけど、あいつは記念日とか興味なさそうだしなぁ…
「めんどくさい。」の一言で片づけられそうだ。
「男のくせに、記念日祝いたいなんて……重いって思われるかな…」
久しぶりにデートもしたいし、一応プレゼントも用意したけど…
「どうやって誘おうかな…」
目の前にある二枚のチケットを眺めながら、俺は深いため息をついた。
「おはよー、柏木。」
「山本、おはよ。」
いつものように朝早くの静かな教室で本を読んでいると、親友の山本がこれまたいつものように俺に挨拶をして目の前の自分の席に腰を掛けた。
そして、くるりと体を反転させて俺の読書の邪魔をしてきた。
「邪魔すんなって。」
「まあまあ。 いつものことじゃん?」
毎朝お決まりのことだから、もう慣れたけどさ。 邪魔されるのわかってるから、そんな集中して読んでなかったし。
「で、柏木君はどうしてそんなに深刻な顔をしてるんですかね?」
「…………」
ふざけてるように見えて、実はちゃんと見ているのがこの男。 特に何も言わなくても、俺の気持ちや考えていることを汲み取ってくれるから、こいつといるのはすごく楽だ。
「もしかして、まだデートに誘えてないのか? 記念日は明日なんだろ?」
「……うん…」
俺が頷いたのを見た山本はため息をついた後、「まあ、わからなくはないけどな。」と呟いた。