BL~中編・長編集2~
第16章 ~大切なのは…~
「え? ちょ、どこ行くんだよ‼」
教室を出たあいつは、保健室とは反対の方向へ歩き出した。
戸惑う俺を気にすることなく、腕を掴んだまま迷うことなく進んで行くあいつ。
もう、抵抗する気にもならなくて。 諦めてあいつについて行くことにした。
「さすがに、この時間は誰もいないな。」
結局、あいつに連れて来られたのは屋上で。
朝のHRが始まる5分前の今は、誰もいなかった。
「お前、なんでいきなりこんなとこ…んっ⁉」
ようやく腕を解放してくれたと思ったら、俺の方を振り向いた瞬間キスしてきたあいつ。
「なにす…」
「お前が悪い。」
「はあ?」
俺が悪いとか、意味がわからん。 っつーか、俺何にもしてないじゃん。
あいつの言ってることが理解できずに首を傾げれば、また短いキスをされてしまった。
「あんなに顔真っ赤にしちゃってさ。 それも、山本の目の前で。 俺以外の前でその顔見せるの禁止。」
「だっ…誰の……せい…だと…」
な、なんだそれ。 そんなことで怒るのかよ。 今まで、そんなこと言ったことなかったくせに。
っていうか、今回のは俺悪くないだろ…
「俺のせいだけど。 それでも、あんな顔見せるの禁止。」
「っ…お、前って……意外と…」
こいつがこんな奴だったなんて、一年付き合って知らなかった。
俺……まだまだこいつの知らないことあるんだな…
「なに?」
「……なんでもない。」
「ほお?」
どうやら、俺の答えがお気に召さなかったらしい。
あいつの声が若干低くなり、顎を掴まれ上を向かせられた。
「ちょっ!⁉ 授業始ま…ッ…んっ…‼」
制服の中に手を入れながらキスをしてきたあいつに抵抗すれば、ちょうど授業開始を告げるチャイムが校舎に響き渡った。
「言う気がないなら、言わせてやるよ。」
「…っ…」
そして、そう言って得意気に笑うあいつの笑顔に、心臓がドクンと重く脈を打った。
その時、俺は思ったんだ。
「…バカ……」
こいつと付き合い始めて一年経ったけど……俺は、こいつのことまだまだ好きになっていくんだろうな…ってね。
~END~
教室を出たあいつは、保健室とは反対の方向へ歩き出した。
戸惑う俺を気にすることなく、腕を掴んだまま迷うことなく進んで行くあいつ。
もう、抵抗する気にもならなくて。 諦めてあいつについて行くことにした。
「さすがに、この時間は誰もいないな。」
結局、あいつに連れて来られたのは屋上で。
朝のHRが始まる5分前の今は、誰もいなかった。
「お前、なんでいきなりこんなとこ…んっ⁉」
ようやく腕を解放してくれたと思ったら、俺の方を振り向いた瞬間キスしてきたあいつ。
「なにす…」
「お前が悪い。」
「はあ?」
俺が悪いとか、意味がわからん。 っつーか、俺何にもしてないじゃん。
あいつの言ってることが理解できずに首を傾げれば、また短いキスをされてしまった。
「あんなに顔真っ赤にしちゃってさ。 それも、山本の目の前で。 俺以外の前でその顔見せるの禁止。」
「だっ…誰の……せい…だと…」
な、なんだそれ。 そんなことで怒るのかよ。 今まで、そんなこと言ったことなかったくせに。
っていうか、今回のは俺悪くないだろ…
「俺のせいだけど。 それでも、あんな顔見せるの禁止。」
「っ…お、前って……意外と…」
こいつがこんな奴だったなんて、一年付き合って知らなかった。
俺……まだまだこいつの知らないことあるんだな…
「なに?」
「……なんでもない。」
「ほお?」
どうやら、俺の答えがお気に召さなかったらしい。
あいつの声が若干低くなり、顎を掴まれ上を向かせられた。
「ちょっ!⁉ 授業始ま…ッ…んっ…‼」
制服の中に手を入れながらキスをしてきたあいつに抵抗すれば、ちょうど授業開始を告げるチャイムが校舎に響き渡った。
「言う気がないなら、言わせてやるよ。」
「…っ…」
そして、そう言って得意気に笑うあいつの笑顔に、心臓がドクンと重く脈を打った。
その時、俺は思ったんだ。
「…バカ……」
こいつと付き合い始めて一年経ったけど……俺は、こいつのことまだまだ好きになっていくんだろうな…ってね。
~END~