テキストサイズ

BL~中編・長編集2~

第17章 ~一番好きな人~

恋愛には、色々な形があると思う。
学生同士の恋や、会社の上司と部下、不倫や愛人関係、許されない恋をしてる人達だってたくさんいるだろう。 もちろん、男女というカップルに限らず、それが同性同士であるかもしれない。
だけど………僕の恋愛は、かなり変わった形のものだと思うんだ━━━



「朝陽!!」

「あ、将仁。 おはよ。」

まずは、軽く自己紹介から。
僕の名前は三宅 朝陽(みやけ あさひ)。 大学一年生。

「小澤の授業めんどくさいよなー。」

で、隣で授業の愚痴を言ってるのは、友達の笹木 将仁(ささき まさと)。 大学での一番の友達。
僕の特殊な恋愛事情を知っても、一緒にいてくれる優しい友人。

「今日さ、小澤の授業終わったら……」

「いちご!!」

「!!」

将仁の声を遮って、僕のことを呼ぶ声が。 僕のことを「いちご」って呼ぶのは、あの人だけ。

「……辻元先輩…」

「おはよ。」

辻元 遥(つじもと はるか)先輩。 カッコよくて、学年問わず女子に大人気。 いつも、たくさんの女子に囲まれている人。

「おはよう…ございます。」

「遥くーん!! 早く行こうよー!!」

親しげに腕に抱きつき、先輩を急かす女子。

あ……この人は…

「わかったわかった。 じゃ、またな、いちご。」

「……はい。」

先輩はそう言って、僕に背を向けると、女子達の元へ戻って行ってしまった。

「…………」

まぁ……いつものことなんだけどね…先輩がモテるのは、高校の時からずっとそうだし…

「……ふん。」

そして、さっきまで機嫌のよかった将仁が、先輩がいなくなった途端に不機嫌になってしまった。 将仁は、前から先輩のことが気に食わないらしい。
本当に先輩のことが嫌いになったきっかけは、僕だろうけどね…

「朝陽には悪いけどさ……俺、やっぱりあの人嫌いだわ。」

「あはは……」

将仁が先輩を嫌う理由…それは…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ