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BL~中編・長編集2~

第17章 ~一番好きな人~

「いちごって……嫌味かよ…」

僕が一応、先輩の恋人だから。 それも…

「十五番目だからって、普通そんな呼び方しないだろ。」

十五番目の。
だから、先輩は僕のことを「いちご」って呼ぶんだ。 わかりやすいでしょ?

「……ま、あんな奴の話は置いておいて。 今日さ、授業終わったら遊びに行こうぜ。」

「いいよ!! どこ行こうか?」

今、先輩には二十人程恋人がいる。 遊び人として有名な先輩。 だけど…
昔は…僕が先輩と知り合った高校時代は、そんなことなかったんだ━━━




僕が先輩と初めて出会ったのは……そう。 入学して間もない頃だった。
新しく始まった高校生活。 僕は、入学してすぐできた友達と、部活を見学して回っていた。
中学でテニス部に所属していた僕は、高校でもテニスをやろうと思って、友達と一緒にテニス部を見に行ったんだ。 そして……その、見学に行ったテニス部で先輩に出会った。

『『遥くーーん!!』』

当時から、先輩は女子に人気で…先輩がプレイしている時には、女子の黄色い歓声が上がっていた。 その時は、あの先輩すごい人気なんだなぁ…くらいにしか思ってなかった。
女子の歓声を受けている先輩を横目に、新入生担当の先輩から体験入部の説明を受けていた。 説明が終わると、試しにプレイさせてもらえることになったから、僕は友達と一緒にコートに入って純粋にプレイを楽しんだ。

『遅くなるし、そろそろ帰るか?』

しばらくプレイを楽しんだ後、友達にそう言われ、その日は帰ることにしたんだ。 友達もテニス部を気に入ったらしく、また明日来ようって話しながら帰る準備をしていると、後ろから肩を叩かれた。

『テニス上手いんだな。』

振り返ると……さっき、女子の歓声を受けていた人が…遥先輩がいた。

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