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BL~中編・長編集2~

第17章 ~一番好きな人~

「嬉しい。 これからは、お前のこと大事にするから。」

「ひっ……ッ…ふ、ぅっ……」

もうね、本当に嬉しくて……僕は、今まで以上に涙を溢れさせてしまった。
まさに号泣。

そんな僕を見て、先輩は困ったように笑ったんだ。 

「そんなに泣くなよ…」

「だ…って……んっ‼」

な、に……今、唇に何か当たって…

何が起こったのかわからずポカーンとする僕を見て、先輩はまた笑った。

「涙、止まったな。」

って。

「……~っ‼」

ようやくキスされたことに気づき、一気に顔が熱くなった。

ぼ、僕っ……先輩とキス…ッ…‼

「ははっ。 耳まで真っ赤。」

「っ……み、見ないで……下さッ…」

顔を覗き込もうとしてくる先輩から逃げるように、必死に顔を隠す。

は、恥ずかしいっ……

「なんで? 可愛いよ?」

「…ッ……は、ずかし…ぃ…」

なんだろう。 キスされたことだけが恥ずかしいんじゃなくて……
なんだか……先輩の態度が…甘いこの雰囲気が恥ずかしくて仕方ない…感じ…

「ねぇ…こっち向いて? もう一回キスしたい。」

「……っ…」

知らなかった。 先輩が、こんなこと言うなんて。

恐る恐る先輩の方に顔を向けると、今まで見たことない表情で先輩が僕を見つめていて。
優しく微笑んでいるんだけど……なんて言うか、愛おしいものを見るような………

「んっ……」

どうしよう…すごいドキドキする……

先輩に心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかっていうくらい、ドキドキしてる。

「口、少し開けて。」

「ぇ……んんっ!?」

少し開いた口の隙間から、先輩の舌が入ってきた。
初めての感覚に、戸惑いが隠せなくて……どうすればいいのかわからなくて、反射的に先輩の服をぎゅって掴んだ。

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