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BL~中編・長編集2~

第17章 ~一番好きな人~

「久しぶりに聞いたな…それ。」

その声は、ひどく嬉しそうで。
嬉しそうに微笑んだ先輩に、チュッと短いキスをされた。

「好きな子に名前呼んでもらえるのって、こんなに嬉しいものなんだな。」

「っ…‼」

先輩って……こんなあっさりこういうこと言う人だったんだ…

意外な一面に驚いている僕をよそに、先輩は急に真面目な顔になった。

「…遥先輩…?」

「守ってやれなくてごめん。」

「え?」

僕の頬を撫でながら、先輩は少し悲しそうな顔をしてそう謝った。
僕は、何のことだか一瞬わからなくて……ポカーンとしてしまった。

「これからは、何があってもお前のこと守るから。」

「ぁ…」

ようやく、先輩が何に対して謝っているのかを理解した。

そっか…そういえば、僕……今日襲われかけたんだった…

なんて思ってしまうくらいには、今の僕にとってはどうでもよくなってしまったらしい。
正直、先輩からの告白の方が僕にとっては衝撃的だった。

「あいつに、何された?」

「え? 先輩…?」

何された…って……部長さんに……? 僕…何されたっけ…?

「言えないようなことされたのか?」

「あ、のっ…!?」

先輩の手が服の中に入ってきそうになって、部長さんに何をされたのか一瞬にして思い出した。

「く、首…舐められっ…」

「首? 首舐められたのか?」

「ひっ⁉」

部長さんにされたのと同じように、先輩にペロリと首筋を舐められた。
だけど、部長さんにされた時のような嫌悪感は感じなくて……むしろ…

「んんっ……せ、んぱ…ッ…やめっ…」

「なんで? くすぐったい?」

くすぐったい…? 違う。
そうじゃなくて。

なんか…背筋がゾクゾクする。

「ぁ…ッ…ンッ…っ…」

「そんな風には見えないけど。」

首筋を舐めていた先輩の舌は、そのまま上がってきて……今度は、僕の耳を舐め始めた。

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