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エール

第1章 リーヴル

「ここ...。」


私は和希君に背を向ける格好で、本棚の森を歩いていた。



推理小説コーナーに着くと、立ち止まって後ろを振り返った。



ゴン!



「いっ!」



後頭部に凄まじい衝撃を感じて、思わずうずくまってしまう。



「ご、ごめんっ!...ボーッとしてて...。」



和希君がぶつかったのか。



「いえいえ、大丈夫ですっ!」



うずくまっていたことが恥ずかしくなり、すごい勢いで飛び起きる。



「でえぇっと、えぇっと...シャーロックホームズでしたよね?あ、しょっ......................ここにありますよ。」



慌てた私は噛みまくって、赤面。



和希君は、口元を押さえて盛大に吹き出す。



あぁあぁ~っ!


どうしよう、恥ずかしい、という言葉が頭の中をグルグルと駆け巡り、まともな思考が出来ない。




「高橋って、以外と面白いんだな...。」

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