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エール

第1章 リーヴル

面白い.........?


「いつもはあんまり喋る機会ってないから分からなかったけど、おっちょこちょいなんだな。...イメージはしっかり者って感じだったから、余計に意外......。」



しっかり者っ!?


「わ、私全然しっかりなんてっ。おっちょこちょいなんですっ。そ、それに面白いって...。」


「面白いよ。」


私が絶句していると、和希君が薄く笑って本棚を眺め始めた。


「何かいっぱいあるんだな~。どれがおすすめなんだ?」



未だ絶句したままの私に構うことなく、聞いてくる。



「私のおすすめですか?私は.........やっぱりこれですかね...。」



気をとりなおして、私は自分の一番おすすめの話が収録されたシャーロックホームズの手のひらサイズの本を手に取る。



「へぇ~。...じゃあこれ借りていいかな。読んでみる。」


「じゃあカウンターに...。」



急いでカウンターに戻った私は、パソコンを操作して貸出しの手続きをする。



本の裏表紙の左隅に貼られてあるバーコードのシールを読み込んで、和希君の貸出しカードを取り出す。

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